baserCMSがさくらのクラウドと連携し、baserCMS環境を簡単に構築できるスタートアップスクリプトが追加されたとのニュースが出ていました。
baserCMSニュース: IaaS型クラウド「さくらのクラウド」に、baserCMSのスタートアップスクリプトが搭載
baserCMSはオープンソースカンファレンス(OSC)などで度々見かけてはいたものの、なかなか手を出せていなかったのでこの機会に試してみました。
baserCMSってなに?
この辺はやはり公式サイトにバッチリ書いていました。
公式サイトの紹介文には以下のような特徴が挙げられています。
- 日本人が日本人の為に開発している国産CMS(コンテンツマネージメントシステム)
- CakePHPをベースとしているので、カスタマイズ性、メンテナンス性が高い
- メールフォームや新着ブログなどのプラグインや管理画面の枠組みを最初から装備
- スマートフォーンや携帯サイトにも対応
- マニュアルやソースコードのコメントが日本語
ライセンスはMITだそうです。
ざっと公式サイトを見ましたが、ドキュメントが非常に充実しているなーという印象です。
baserCMSのインストール
スタートアップスクリプトの前に、通常のbaserCMSのインストール手順を確認してみました。
インストール手順は公式サイトのはじめてガイドの中に導入マニュアルがまとめられています。
通常のインストール手順としては
- (1) baserCMSのソース一式をダウンロード
- (2) サーバにアップロード
- (3) ブラウザでインストーラーページを開く
- 必要に応じてWebサーバの設定変更など
- (4) データベースの選択(MySQL/PostgreSQL/SQLite3が選べる)
- (5) 管理ユーザーの登録
という流れです。多くのCMSと同じ流れですね。
慣れている方であればすぐに設置可能でしょう。
baserCMS用のスタートアップスクリプトは何をしてくれるの?
スクリプトを眺めると、先ほどのインストール手順を一気に行ってくれるもののようです。
割と面倒なWebサーバや関連ライブラリのインストール、DBのセットアップ、意外と忘れがちなサーバのタイムゾーンの設定などを行っています。
これを利用すればインストールが非常に楽になりそうです。
ということで早速スタートアップスクリプトを利用してbaserCMSをインストールしてみます。
さくらのクラウドでbaserCMS用スタートアップを利用
手順としては以下の通りです。
まずはさくらのクラウドのコントロールパネルにアクセスします。
アカウントをお持ちでない場合はこちらからアカウント開設を行っておきます。
1) IaaS画面へ遷移
ログイン後表示される画面でIaaS
を選択します。
2) ゾーン選択 -> サーバ作成画面へ
次に対象のゾーンを選択します(以下図の①)。ゾーンによって価格が若干異なりますのでお好みのゾーンを選択してください。
ゾーン選択後にサーバ管理画面を開き(図の②)、右上の方にある「追加」ボタン(図の③)をクリックします。
3) サーバ作成画面でシンプルモードのチェックを外す
デフォルトではシンプルモードという、簡易選択画面になっていると思います。
スタートアップスクリプトはシンプルモードでは選択できませんのでチェックを外しておきます。
4) サーバのスペック選択(CPU/メモリ/ディスクなど)
続いて作成するサーバのスペックを選択します。
CPUとメモリについては後から変更可能ですので最初は適当に選べば良いと思います。
(baserCMSのドキュメントを確認しましたが、特に推奨スペックは記載がなさそうでした…)
また、baserCMSのスタートアップスクリプトはCentOS7のみ対応ということですので、ディスクについては
- ディスクソースは
アーカイブ
を選択 - アーカイブ選択では
CentOS7
を選択
としてください。
ディスクサイズについてですが、こちらは先ほどのCPU/メモリと異なり、増設するのに若干の作業が必要となります。
(別ディスクを増設する or より大きいサイズのディスクにコピーして移行など)
なので、ある程度のディスク利用が見込める場合は最初から大きめにしておくのがオススメです。
5) ディスクの修正
続いて「ディスクの修正」という欄に入力を行なっていきます。
まずサーバのrootユーザのパスワードを入力します。
本番運用するサーバであればここで公開鍵を登録しておくべきなのですが、今回は省略しています。
なるべく登録をお勧めします。
そしていよいよスタートアップスクリプトの設定を行います。
スタートアップスクリプトとしてshell
を選択すると、スクリプト一覧のリストが表示されます。
この中からbaserCMS
を選択します。
6) baserCMS関連の設定
baserCMS
スタートアップスクリプトを選択すると、その下部にbaserCMS関連の設定項目を入力する欄が表示されます。
以下3つは必須となっていますので忘れずに入力してください。
- baserCMS 管理ユーザー名
- baserCMS 管理ユーザーのパスワード
- baserCMS 管理ユーザのメールアドレス
ここで入力したユーザー名/パスワードは、後ほどbaserCMSの管理画面にログインする際に利用します。
サーバ作成画面にはその他入力項目もありますが、適当に入力してください。
最後に画面下部にある「作成」ボタンを押せばサーバ作成が行われます。 作成完了まで数分かかることもありますので少し待ちましょう。
動作確認!!
サーバ作成はうまくいきましたね?
それでは早速baserCMSの画面を開いてみましょう。
まずはさくらのクラウドのコントロールパネルから、作成されたサーバのグローバルIPアドレスを確認します。
サーバ一覧画面にサーバのグローバルIPが表示されていますので控えておきます。
(右クリックするとIPアドレスのコピーができますよ!)
あとはブラウザから以下URLをひらけばbaserCMSのトップページが表示されるはずです。
- 公開画面:
http://<サーバのグローバルIP>/
- 管理者画面:
http://<サーバのグローバルIP>/admin
公開画面トップページ
管理者ログイン画面
管理者ダッシュボード
ということでbaserCMS環境が非常に簡単に構築できました。
あとは公式サイトの導入マニュアルを参照しながらカスタマイズしていくだけですね。
導入マニュアルには「インストールあとのはじめの一歩」というページにどのような設定を行えば良いのかについてまとめられていますので、インストール後はこちらもご参照ください。
以上です。Enjoy!!