パッケージ管理ツール「whalebrew」〜透過的にDocker上でコマンドを実行する環境を作る〜
「whalebrew」という素晴らしいプロダクトが出ていました。
Homebrewのような感じでコマンドをインストールし、かつそのコマンドをDocker上で実行できるように環境を整えてくれるツールです。
# whalebrewコマンドで"whalesay"コマンドをインストールしてみる $ whalebrew install whalebrew/whalesay # DockerHubからイメージのダウンロードが行われる Unable to find image 'whalebrew/whalesay' locally Using default tag: latest latest: Pulling from whalebrew/whalesay e190868d63f8: Extracting [=======================> ] 30.64 MB/65.77 MB 909cd34c6fd7: Download complete 0b9bfabab7c1: Download complete a3ed95caeb02: Waiting 00bf65475aba: Waiting c57b6bcc83e3: Waiting 8978f6879e2f: Waiting 8eed3712d2cf: Waiting # ダウンロードしたイメージを実行できるように、/usr/local/bin配下にエイリアスが作成される # 最終的に以下のようなコマンドでDocker上で実行されることになる # docker run -it -v "$(pwd)":/workdir -w /workdir $IMAGE "$@" 🐳 Installed whalebrew/whalesay to /usr/local/bin/whalesay # インストールしたコマンドは作成されたエイリアスを通じ実行できる $ whalesay 'hello' _________ < hello!! > --------- \ \ \ ## . ## ## ## == ## ## ## ## === /""""""""""""""""___/ === ~~~ {~~ ~~~~ ~~~ ~~~~ ~~ ~ / ===- ~~~ \______ o __/ \ \ __/ \____\______/
以下、簡単に使い方などをメモしておきます。
インストール
今の所はWindowsは非対応のようです。Linux/Macなら動くと思います。
以下のようにバイナリをダウンロードして実行権を付与するだけです。
curl -L "https://github.com/bfirsh/whalebrew/releases/download/0.0.1/whalebrew-$(uname -s)-$(uname -m)" -o /usr/local/bin/whalebrew; chmod +x /usr/local/bin/whalebrew
使い方
コマンドのインストール
$ whalebrew install オーガニゼーション/イメージ名
オーガニゼーション/イメージ名
にはDockerHub上のものを指定します。
検索
検索は現状ではwhalebrew
オーガニゼーション配下のイメージに対してのみ有効みたいです。
$ whalebrew search イメージ名
whalebrewでインストール済みのコマンド一覧表示
$ whalebrew list
更新(upgrade)
$ whalebrew upgrade オーガニゼーション/イメージ名
動作設定
現在はエイリアスを作成する先のディレクトリを変更できるようです。
デフォルトは/usr/local/bin
ですが、以下の環境変数で変更可能です。
WHALEBREW_INSTALL_PATH
パスの通ったディレクトリを指定しましょう。
内部動作
コマンドをインストールすると、WHALEBREW_INSTALL_PATH
(デフォルト/usr/local/bin
)配下に以下のようなファイルが作成されます。
例: whalebrew/whalesay
コマンドをインストールした場合
#!/usr/bin/env whalebrew image: whalebrew/whalesay
これを実行すると、以下のようなDockerコマンドが(whalebrewを通じて)実行されます。
docker run -it -v "$(pwd)":/workdir -w /workdir $IMAGE "$@"
注意点は、dockerでのWORKDIR
が/workdir
に固定となっている点です。
コマンド実行時のカレントディレクトリの内容がコンテナ内の/workdir
にボリュームとして割り当てられます。
なお、後述しますが、Dockerイメージ側でラベルが指定されている場合はこのパスが変更できるようです。
注:dockerクライアント実行環境にもよりますが、~/
配下など、コンテナにバインドマウント可能なディレクトリでないとコマンド実行できないっぽいですね。
公開するイメージの作り方
以下の2つの条件を満たすだけです。
- DockerHub上に公開すること
- イメージに
ENTRYPOINT
が設定されていること
以下のLABEL
をイメージに設定(Dockerfileに記述)しておくことで、動作のカスタマイズができるようです。
io.whalebrew.name
: whalebrew
でインストールした場合のコマンド名。デフォルトではイメージ名となる。
io.whalebrew.config.environment
: コンテナに渡す環境変数。以下のように指定する。
# コマンド実行時に$TERMと$FOOBAR_NAMEを引き渡しする(-eオプション) LABEL io.whalebrew.config.environment '["TERM", "FOOBAR_NAME"]'
io.whalebrew.config.volumes
: コンテナに割り当てるボリューム。以下のように指定する。
# ~/.dockerをコンテナの/root/.dockerに読み取り専用で割り当て(-vオプション) LABEL io.whalebrew.config.volumes '["~/.docker:/root/.docker:ro"]'
まとめ
これまでDockerイメージで配布されていたアプリの場合、whalebrewを使えば楽に配布〜実行設定できますね。
dockerコマンドを直接叩いてもらわなくてよくなる、aliasを張る必要がなくなるなど嬉しいですね!
ぜひ流行って欲しいところです。
公開されたばかりのプロダクトですのでバグもあるかと思いますが積極的に使っていきたいです。
以上です。 Enjoy!!